初めての東京①(東京を恐れていた話)

今から約10年前。

人口が日本一少ない鳥取県の中で最も人口の少ない中部地方の高校を卒業し、大都会東京へと旅立ちました。 

 

当初、ド田舎者の僕は東京を恐れていました。

電車に乗れば当然スリがいるだろうから、全て鞄に詰め込みチャックに鍵までかけました。

駅や道で迷って田舎者だとバレれば当然何かしらの詐欺に合うに違いないので、トイレの個室で地図を確認していました。

裏路地に入れば常に麻薬売買や殺人が行われているはずなので、常に大通りを歩いていました。

東京は恐ろしい街、そう信じていました。

 

しかしその誤解もすぐに解けました。

5月のある日、僕は原宿で財布を紛失したのですが、それを交番に届けてくれた人がいるらしく手元に返ってきたのです。

東京にそんな優しい人がいるなんて!!!血塗れの人が倒れていてもスルーするのが東京だと聞いていたのに!!

東京だからってそんなに恐れる必要がないんだな。