2016年12月 鬼怒川一人旅
■12月18日(日)
10月の河津、下田旅があまりに良すぎて「満たされちゃったな・・・」なんて思ったけど、またムクムクと一人旅に行きたい気持ちが現れて結局また行くことしました。
とりあえず所沢駅に行って電車に揺られながら行き先を考える。
よし!今回は鬼怒川温泉に行ってみよう!!
日光江戸村というのが面白そうだ。
今回の旅のお供の小説は
「陽気なギャングの日常と襲撃」
「陽気なギャングは3つ数えろ」
の3冊。
この陽気なギャングシリーズ読めば伊坂幸太郎は全作読破だ。
ガタンゴトンと4時間電車に揺られ正午前に鬼怒川温泉に到着。
若者のグループやカップルが多くいる。
さて、ここから日光江戸村までは徒歩で1時間ほどらしい。
バスもあるけど一人旅は遠くで行う散歩という側面が強いので、歩いていくことにする。
山に囲まれているのでとても空気が良い。
天気も良いし、ただ歩いているだけで楽しい。
途中で川が見えたので寄り道、これが鬼怒川か。
そしてそこに橋が架かっていた。GoogleMapで確認したら橋を渡るルートでも大丈夫っぽいので歩く。
何だかとっても良かった!橋も良いし、そこから眺める鬼怒川も山々も凄く良い!
しかしのどかだなあ。
人の気配も全然ない。
こんな何もないところに日光江戸村はあるのかー。
しかし、本当に人気が全然ない、なんだか様子おかしくない?と思っていたら到着。
そしてそこには張り紙が。
「12月8日~12月21日まで冬期休村」
・・・マジでかー。マジでかー。マージデカー。
結構楽しみにしてたのにな。
しかし!こんな何もないところで突然手持無沙汰になってしまったぞ!昼食も江戸村で食べるつもりだっただからお腹もすいてるし!どうしよう!!
とりあえず昼食だな。進んで大きい道路に戻ってみよう。
近くに「大迷路」というものを発見。
神秘的な大きな音楽と楽しそうな若者の声が。
みんなで迷路を楽しむ系のアトラクションかな。面白そうだけど一人でやるのはちょっと寂しいかな・・・とスルー。
そうしてまた歩き始めて30分。
本当になにもない・・・コンビニもないし、お店もない・・・
ようやく見つけた小さなラーメン屋さんに入る。
メニューにはヤングセット(ラーメン、野菜炒め、ライス)と中年セット(ラーメン、豚生姜焼き、ライス)があった。
ヤングと中年が逆じゃないか?
とりあえずラーメンを注文して小説を読み進める、読み進める、どんどん読む。
・・・全然ラーメンがやってこないぞ?
あのー注文まだなんですけどー・・・と控えめに言ってみたら、今作ってるから!とピシャリ。ごめんなさい。
そして待ちかねたラーメンが到着。まあまあのお味。
腹ごしらえもしたし、また当てもなく歩き始める。
そうしたら大きな恐竜の看板が。
どうやら「3D宇宙恐竜館」というものらしい。恐竜は好きだし、化石とか見れるのかな。と入ってみる。
中はガランとしていました。人の気配がしない。
たった一人いた施設のおばちゃんが「え?なんで来たの?」というような小さな驚きの顔で「いらっしゃいませー」と言ってくれました。
入場しようとしたら「入ったら30分は出てこられないですがおトイレなど行かれますか」とおばちゃん。
え?なに?そういう系なの?
じゃあ、とトイレに行き改めて入場。
おばちゃんに3D眼鏡を渡される。時代はVRだとか言っているけど僕はこれが初めての3D眼鏡。
まず最初の部屋。
宇宙船に乗っているロボットのみたいなものの会話。3D眼鏡の質が悪いのか映像が何がなんだかわからない。台詞も喋りの癖が強くて何を言っているのかわからない。
しかしとりあえず終わったので、次の部屋に進む。
そこでは更に次の部屋での映像の予告を流していた。待機のお部屋らしい。
「白亜紀!種族を超えた感動の友情!上映まであと8分!」
「白亜紀!種族を超えた感動の友情!上映まであと7分!」
「白亜紀!種族を超えた感動の友情!上映まであと6分!」
と1分間の予告を延々流し続けている。それをひたすら見る。なんだこの時間。
ちなみに隣の部屋からはその映画の音声がガンガン聴こえてくるからなんとなく展開がわかる。
そしてついに次のお部屋へ。
大きなスクリーンと椅子に座り、相変わらずボケボケの3D眼鏡で映像見てさっき聴いた音声をまた聴く。
・・・うん。
さあ次の部屋だ。
気を付けてドアを開けよう!という貼り紙があった。
これはびっくり系の何かが待ち受けているのか!とドキドキしてドアを開けたら、ティラノサウルスの模型がガオーとちょっとだけ動いて威嚇してきた。
・・・うん。
そしてその部屋で3D眼鏡を返却して終了です。
「お疲れ様でしたー」とおばちゃん。何だかご愁傷様でしたーと言われてる気分。
でも楽しんだことにしたくて、なんとなくお土産コーナーを物色して出ていきました。
なんだここ・・・。
日曜日の真昼間だというのに僕以外誰もいないのも納得のクオリティ。
逆にもう楽しいくらいです。
時刻は4時
やばいぞ。今回の一人旅、実質なにもしてないぞ。
でも寒いし、日も暮れてきたし、何にもないし、もう旅館に行くことにしました。
また歩いて1時間ほど。
その道中で完全に潰れて寂しさと儚さをまとったフットサルカフェを見つけたり、原っぱに人形たちが配置してある不気味空間を見つけたりしました。そして足も痛くなってきた。
嗚呼、嗚呼、嗚呼。
旅館に到着。
ロビーにギターなどが置いてある。
旅館のおじちゃんに弾いてみるかい?と促されたので弾いてみる。
しかしこの旅館のおじちゃんが親父ギャグを連続で繰り出してくる。
「前はねここに熊の剥製もあったんだけど今はね鹿の剥製しかないんだよ」
他にも色々言ってたけど覚えてない。
あはははーと対応してたけど全然部屋に案内してくれなくて少々困る。
しかし無事にお部屋に案内してもらったのでとりあえず一息つく。
お茶でも飲むか、と部屋を見渡すがお茶がない。
旅館にお茶がない?嘘でしょ?
案内を読んでみるとロビーに緑茶のサーバーがあるからそこで飲めと。ロビーに向かうと確かにある。そして小さな紙コップにお茶を入れて部屋に戻る。ちょっと冷めてた。
お茶も飲んだし、体も冷えてるし、温泉に入ろう!ここは鬼怒川温泉!
露天風呂から鬼怒川を眺めることが出来てとてもよかった。自然を眺めることができる露天風呂は好き。
さて、時刻は19時。
お腹もすいたが素泊まりなので食料を調達せねば。
この近くに飲食店はなかったから鬼怒川温泉駅の近くにあったコンビニで何か買いに行くことに。
で、コンビニに行ったけど弁当もおにぎりもパンも全然なくて途方に暮れる。
とりあえずじゃがりことチョコとポテチを買う。これが夕食。
旅館に戻り、夕食を食べながらテレビでサッカーを見る。クラブW杯、鹿島アントラーズ対レアルマドリード。
物凄く良い試合だったけど、いかんせんテレビが小さい。
下に置いてある金庫より小さいのでボールの行方がよくわからない。
なんだか今日一日ロクなことがないな・・・休村だしラーメンはなかなか来ないし謎施設に入ってしまうし怖い人形を見るしこの旅館もアレだし。
もういい!寝る!!
この近くに龍王峡って場所があるらしいし名前もカッコいいし明日は朝一でそこに行く!!そこに賭ける!!おやすみなさい!!
■12月19日
午前4時に目覚める。
寒い。
エアコンがあんまり効いてないらしい。
寒さのあまりスクワットを始める。
お風呂に入って温まりたいけど内風呂はないし大浴場は午前6時から。
それまで待つのも嫌だな。
もう早く行動したい。
とりあえず顔を洗おう・・・ん?ここの洗面台お湯でないのか・・・。
仕方がないのでポットでお湯を沸かしそれを洗面台に流し込み水で温度調整し顔を洗う。
洗顔フォーム的なものがなかったのでキレイキレイで顔を洗ってみたら顔がカピカピになった。・・・痛い。
刺すような寒さの中旅館を出る。
駅に向かう。
高校生たちが通学していた。
鬼怒川温泉は完全に観光地だけど、こうやってここで育つ子供たちもいるんだよなと感じる。
無人駅から出たら大きな駐車場があり、その端のほうに階段があって、降りたらそこが龍王峡。
この龍王峡が物凄くよかった。
綺麗な川に二つの滝。
虹見の滝はコンパクトにまとまりながらも美しい曲線を描いていて、竪琴の滝は地形をなぞりながら落ちる姿がまさに竪琴。
小さな神社もあったので御参りもした。
鬼怒川を横断する大きな橋もあった。その橋の先に行くとさらに深いところまで行けそうだったけど、寒さで体が冷え切っていたので長居は出来ずに撤退することにした。行くならもっと準備しないと。
でもとにかくよかった。
昨日があまりにもアレだったから今回の旅はもう失敗だと思ってたけど、こんな最高の場所を見つけることができた。
終わり良ければ全て良しとはこのことだ。
良し、満足!楽しい!気分良い!!
というところで今回の旅を終えることにした。
良い気分を残して終わりたかった。
さよなら鬼怒川温泉
なんだか今回は色々失敗してしまったけど本当はもっと楽しいところだと思うからいつかまたリベンジに行くよ。
日光江戸村行きたいし。