色のない日々の再開

思うところがあって、日記を再開することにした。

それは後述するとして、早速書いていく。

 

昨日は22時に寝たのに午前2時に目覚めてしまった。それから無理やり寝たけど3時までが限界でもう起きる事にした。なかなか体が昼型のリズムに適応してくれない。2年半も夜勤やってたからそう簡単には行かないのかな。

 

6時にEからLINE。今日はまだ体調が厳しいから明日にしてほしいと。明日は大丈夫だろうか。無理させたくないけど俺も早く行きたくてプレッシャー与えてるみたいになってる。

 

旅行がなくなったので、予定が空いた。暇なので一昨日買った2本のゲームをしてみる。

ドラゴンクエストビルダーズは素材集めのおつかいばかりで楽しさがいまいちわからない。作業をしている感覚。ストーリーを追いたいからやってる状態。FIFA17は操作に慣れずに楽しめていない。そんな状態なのですぐに飽きて読書を始めた。

 

谷崎潤一郎の「鍵・瘋癲老人日記」を読む。とりあえずは鍵を。

自ら妻を寝取らせようとする小説で、自分の性癖とも合致したのでゾクゾクしながら読んだ。

 

読書後、カラオケに行ってギターと歌の練習。

今日はスマホで動画を撮ってみることにした。

何曲か歌って動画を確認してみると、演奏云々よりも自分のあまりに醜い姿に気分が落ち込んだ。

こんなあからさまにダメ人間のような容姿になってたのか。眼は虚ろで口元はだらしない。

太ったことはもちろんだけどそれ以上に心が腐っているからこんな醜態を晒しながら生きているのだと思った。

 

だから日記を再開することにした。

僕がハツラツとしている時にはいつも日記があった。

毎日日記を書くことで自分を振り返り自分を律していた。

感情に任せて思考せずとも書けるTwitterは僕にとって危険なのかもしれない。

だから日記を書く。

さるさるで書いていたときと同じように上限1000文字にする。

 

あと自分にはやっぱり音楽が必要だと思った。一番真面目に取り組めることだ。でも音楽だけではいけない。僕の趣味を総動員して何かに繋がることをしなくちゃ。

 

前に進まないと、もっと頭を使わないと、醜い自分になる。

醜い自分になりたくない、誰が認めても僕はそれを認めたくないから。

 

今日気付けてよかった。

今日から始めよう。

 

また明日。

月明かりの下の彼女

『月明かりの下の彼女』


 潮の香りで目覚めた。辺りを見渡すと何もないまっくらな砂浜。
 此処はどこだ?安アパートの僕の部屋には残念ながら砂浜はなかったはずだ。
 ああそうか、これは夢か。此処は故郷の砂浜だ。この月明かりもさざなみの声もよく知っている。
 夢の砂浜でポツンと一人で座りこみ、さざなみの音を聞きながら月と星を眺めていた。毎晩この砂浜に来られたらいいのになあ。 

 この砂浜は一人では持て余してしまう。せっかくの夢なんだからあの子もいたらよかったのに……と思ったらもう隣にはあの子がいて「久しぶり!」と明る
く話しかけてきた。 久しぶりっていうことはあの頃のあの子ではないのか。
 
「久しぶりだね。起きたと思ったらまだ夢でびっくりしたよ。」
「私もびっくりしてる!起きたらいきなり砂浜で隣に君が居るんだもん!」
「君も?もしかして君は2017年の君なの?」
「そうだよ、むしろそれ私が聞きたいくらいだったのに!」

 あの頃みたいに二人で肩を寄せて、さざなみの音を聞きながら月と星を眺めていた。

「いつまでこうしていられるんだろうね。この夢はいつ終わるんだろう」
「終わってほしいの?」
「そういうわけじゃないよ。でもあの頃。僕らを照らしてくれたのは太陽光ではなく月明かりだっただろう?せめて夢の中でくらい青い海を君と見られたらな
って」
「夜の海は楽しかったよね。やることないからってとりあえず海にきてさ、何するでもなくただこうやって海と月を眺めてたよね」
「そうだったね」
「車で此処に向かう途中にいくつもホテルがあったのに、いつも君はそれに見向きもしないでここまで一直線!私もちょっとね、ちょっとだけね期待してたん
だよ。でも君はホテルどころか手を繋ぐ事すら躊躇うんだもん。月明かりの砂浜でだけ手を繋ぐことを許可しましょうって言ったら本当に素直にそれを守るん
だもん。可愛いよね。」
「もうあの頃の僕とは違うよ。あの時どうして何もしなかったのかって後悔して生きてるんだから。この世界にあのホテルはあるのかなあ。今から行こうか」
「車がないよ」
「確かに」


 夢の中とはいえ、あの子と久しぶりに話すことが出来て幸せで、忘れていた高揚感に溢れている。毎晩この夢の中でこうやってお喋りが出来たらいいのにな
。ずっと19歳のまま大人にならず、歳も取らずずっとこのままで。それがいけないことだとわかっているけど、僕はあの子に肩に手を伸ばし、抱き寄せ、頭を
なでた。そして顔を向かい合わせ口づけをしようとした時、朝日が昇りあの子は砂になった。月明かりの下の彼女、太陽は僕らを許しはしない。それは夢の世
界でも変わらない。

 

 安アパートの砂浜付きではない部屋の万年床で目覚めた僕の頬にしょっぱい潮水がつたっていた。これは涙なんかじゃない、潮水だ。その方がロマンティッ
クで気分がいい。
 そうして僕は着替えを済ませ、太陽の下、愛する恋人との待ち合わせへと急いだ。(完)

はじめての一人旅

■はじめに

 

 どうも!

 僕は2年前から一人旅が趣味で、あちこちへ足を伸ばしています。 何故一人旅をするようになったか、そのきっかけなった初回の一人旅日記書いてみました。

 

 現在形で書いていますが、2年前のことを思い出しながら書いています。 記憶がおぼろげな部分も多々あったので、

 やはり早いうちに書いておくべきだった・・・。

 では少し長くなりますが、よろしければ見てやってください。

 

■はじまり  

 

 同じことばかりの日常に飽き飽きしている。最近は意識して初体験を積み重ねている。少しづつ楽しくなってきた。  

 想定外は楽しい。「まさかあの時はこんな事になるとは思わなかったよ」と言ってみたい。本来、想定外は他人がもたらしてくれるもの だが、残念ながら僕には知り合いがあまりいない。

 だがその想定外は、自分の思いつきに、自分の気まぐれに身を任せることで可能ではないか。

 とにかく今日はどこかに行こう。

 アパートの部屋にいても何も起こらない。

 

 

■2015年7月27日(月) ・4時30分 出発  

 

 午前3時に起床。前日のフットサルで筋肉痛になっている。この痛みは、自分が生まれ変わっていくようで好きだ。

 今日は始発の電車に乗って気まぐれに街ブラをする。とりあえずは中野にでも行こうかな。

 準備を整えて4時半に部屋を出た。

 

・5時00分 電車  

 

 無事に始発に乗り込んだ。中野には5時半頃に到着する。

 しかし、よくよく考えてみれば、そんなに早く着いてどうするのだ。店も何もやってないぞ。いけない、目的地を変更しよう。ここは思 い切ってもっと遠くに行ってみようか。名古屋はどうだろう。このまま在来線で向かっても正午過ぎには着く。よし、これで決まりだ。

 … そう決めたのも束の間、せっかくなら京都まで行ってみようと思い直す。15時過ぎに着くから動き回る時間は充分にある。そうだ、京都にいこう。

 京都まであと8時間。スマホで暇を潰したいが、それでは到着前に充電が切れてしまう。

 こんなことなら何か本でも持ってくればよかった 。小説でもあれば、1冊をじっくり読み終わった頃には着いてるから、ちょうどいいんだけどな。仕方がないのでひたすら外の景色を眺めることにした。

 

・9時30分 焼津  

 

 外に海が見える。

 何度か乗り換えて、今は小田急線に乗っている。ここは何と言う場所なんだろう。

 海か・・・いいな。もう何年もちゃんとした海を見て ないな。

 熱海でJR東海道線に乗り換えて京都を目指す。相も変わらずひたすらに外の景色を眺めていたら、またしても海。……海……海……! 海が見たい!今日は気まぐれ思いつき行動の一日なのだ。次の駅で降りよう。

 そうして午前9時半頃、静岡県焼津市焼津駅に降り立った。

 海が見えた方向に歩き出す。猛烈な暑さに汗が滴り落ちる。

 15分ほどで海に到着した。しかし、そこは船着場だったので、油もゴミも浮いていた。綺麗な海を期待していたので、残念な気持ちですぐに船着場を後にする。

 

 せっかくなのでこのまま焼津駅の周辺をブラブラしてみる。

 特にこれといったものはないが、道が広く、高い建物もなく、見晴らしがとてもいい。ふと、向かいの通りに目を向けると、女子高生3人 組が自転車に乗っている。きっと幼い頃からこの辺りで暮らしているのだ。僕にとっては遠い場所だが、彼女らにしてはここは地元なのだ 。見飽きた当たり前の風景なのだ。

 Jリーグ清水エスパルスのオフィシャルショップを発見した。そうか、ここは静岡なのだ。清水もきっと近いのだろう。

 いつもと違う場所を歩くというだけでこんなに楽しいものなのか。気持ちがいい。気持ちがいいが、あまりにも暑すぎる。

 通りかかった カラオケ店に入って涼むことにした。 開店まであと数分。地元民であろう貴婦人らがロビーで談笑している。僕も地元民のような顔をして待つことにした。そして地元民のよ うな態度で受付をし、飲み物を注文し、2時間歌ったのだった。

 

・13時00分 最初の総括  

 

 カラオケで涼を取り、すっかり体力が回復した。    

朝、自分の部屋を出たときは中野に向かおうかなどとなんとなく思っていた。それが今は静岡県にいる。「あの時はこんなことになるとは思ってなかった」という望んでいた状態だ。

 自分の気まぐれに身を任せるというのも楽しいものだな。本当は部屋を出るときは億劫だったけど、ここまで来ることが出来た。こうし て今までしたことのないことを積み重ねていけばきっと新しくなれる、楽しくなれる。その癖付けの第一歩を踏み出せたような気がする。 大事なのは癖付けだ。

 目的は達した。当初の予定通りに京都に行っても夜になってしまうから、もう帰ろう。

 

・13時40分 蒲原駅

 

 電車に乗っているとまた海が見えてきた。海が見たい!その衝動で電車を降りた。ここは蒲原という駅らしい。

 潮の香りが駅にも漂っている。海は近い。そうして駅の裏に回り、海に向かって歩く。少し進むと波の音が聞こえてくる。今度は期待で きそうだ。 そして10分ほどで海に辿り着いた。

 広い海だ!本物の海だ!!これが太平洋か!水平線が見える!

 ここは少し高くなっていて、海は下にある。敷き詰めてあるテトラポットに波が打ち付けて、大きく水しぶきが上がっている。危険なの で降りないでくださいと立て看板もある。降りてみたかったけど僕は素直な良い子なので我慢する。そこからスマホで写真を撮り、動画を 撮った。  

 僕の海のある町で育ったので、やはり海を見ると心が落ち着く。

 海を見ることが出来た。大満足。

 

 ・15時10分 熱海  

 

 海を見てまたテンションが高まってきた。帰り道の熱海で降りた。時間は15時10分だ。

 熱海。名前は聞いたことがある。海という文字が入ってるくらいだから、きっと海があるのだろう。有名な温泉地だ。

 せっかくだから旅館で一泊していこう。<熱海 旅館 当日予約>でGoogle検索をしたら「じゃらん.net」で沢山の旅館が出てきた。当 日の15時でもこんなに見つかるものなんだな。1泊5000円の宿を予約した  

 さて、熱海駅を降りるとすぐに二つの商店街があった。どちらも沢山の人で賑わっている。というか人が多すぎる。その商店街をラグビ ーのドリブルのように潜り抜ける。熱海駅は高台にあり、坂道を下っていくと海水浴場があるらしい。そこを目指していく。

 坂道を下っていくと海が見えてきた、その奥には島がある。いつか行けたらいいなと想いを馳せる。  

 下るとサンビーチという海水浴場に辿り着いた。そのすぐ側にローソンがある。入ってみると店内には潮の香りが漂っている。そ して男性も女性も水着のままで買い物をしている。ビキニ姿の女性がコンビニにいるなんて…ここでアルバイトがしたいよ…。しずおか茶コー ラという緑色のコーラがあったので買ってみる。お茶の味が入って酷いだろうと予想していたが存外美味しかった、というか普通のコーラ の味しかしない。お茶成分はいずこ?  

 海水浴場を少しだけ歩く。本当に久しぶりの砂浜だ。やっぱり海は良いと改めて思う。

 

    ・16時50分 夕食  

  熱海駅前の商店街に戻り、比較的空いている定食屋に入りご飯を食べることにする。こじんまりとした、いかにもな定食屋だ。いつもの 癖で一番安いものを注文しそうになるが、こんな日だ、贅沢に行こう!そして一番高いお刺身定食を注文。1800円也。  

 普段はこういったお店に入ることはないし、食事にこんなにお金をかけることもない。普段と違う自分になれているような気がする。

 そんな非日常に酔いながらお刺身定食を美味しく頂いた。

 

・17時30分 四季倶楽部 あたみ小嵐荘  

 

 駅前から出ているバスに乗り、旅館に向かう。旅館は海から少し離れた山側にあるようだ。バスの窓の外を見ると。ヘルメットを被って 自転車をこいでいる中学生の姿がチラホラと見える。観光客で賑わう日本有数の温泉地だが、ここで暮らしている人も確かにいるんだと感じる。

 バスを降り、バス停の目の前のコンビニで、水とじゃがりこを買い旅館に向かう。5分ほどで到着した。  

 今回お世話になるのは「四季倶楽部 あたみ小嵐荘」  

 旅館なんて子供の頃に家族と来た以来だ。

 洋風のエントランスを抜けると、フロントがあった。ここで受付をするのだろう。ちゃんと予約は通っている、無事に受付が完了した。

 受付の男性のフロントマンから鍵を受け取る。凄いぞ、鍵だ、旅館の鍵だ。

 お部屋は2階だった。ドキドキしながら鍵を鍵穴に差込み、希望に胸を膨らませドアを開ける。  

 そこはまさに旅館の和室だった。旅館ならではのお茶セットなどが用意してある丸い入れ物がある。旅館だ、旅館だとはしゃぐ。

 荷物を置くとさっそく大浴場に向かう。運良く他に誰も人が居なくて貸切状態。大浴場と露天風呂を両方堪能する。朝から灼熱の日差し の中を歩き回っていてさすがに大量の汗をかいていた。さっぱりと洗い流し一日の疲れを癒す。

 浴衣に着替え、部屋に戻る。

 お茶を入れて、先程買ったじゃがりこをボリボリと食べる。旅館のすぐ横に川があって、その流れる音が心地良く響いている。  

 

 なんで僕は今、旅館で浴衣を着て、お茶を飲んでまったりしているんだ??  

 

 そう考えると笑えてきた。

 朝、中野に行こうと思ってたのに熱海の旅館で一泊しようとしているぞ?普段東京にいても電車で30分以上かかる所には行こうとしない僕なのにまさかだ。思いつきに身を任せるってこんなに楽しいのか。とりあえず後先考えずに行動してみたら何か新しいものがあるものだな。

 

疲れていたので、押入れから布団を取り出して敷いて、20時頃に眠った。

 

 ■2015年7月28日(火) ・7時00分チェックアウト  

 

 3時ごろに目覚める。旅館だ、やっぱり旅館だ。川の流れる音が聞こえる。  

  お茶を入れて、広縁で飲む。まったりとする。

 5時頃、朝日が昇り始める。それが海に反射して凄く綺麗だ。海の見えるお部屋でよかった。

 6時になると旅館の外にお散歩に行く。来る時には気付かなかった川へ向かう。その辺りはとても涼しかった。

 7時になると朝食だ。どうしていいのかわからなかったが、とりあえず食堂に向かうと席が用意されていた。

 食べ終わるとすぐチェックアウトした。  バスを使わずにこのまま歩いて熱海駅へと向かうことにする。

 歩いていると地元民の息吹を感じる。登校する子供たち、朝早くから仕事に取り掛かる職人たち…。やっぱりここ生きているんだ、僕の 非日常で日常を送っている人がいるんだ、と思うとなんとも不思議な気持ちになるのであった。

 そのまま歩いてまたサンビーチへと向かう。朝から泳いでいる人がいた。既に茹だる様な暑さなのだから気持ちは良く分る。

 ローソンで飲み物を買い、階段を登り熱海駅へ向かう。サンビーチから熱海駅までの階段は一段一段が高く、それが長く続くので、凄く 疲れる。熱海駅に着く頃には汗だくになってしまった。

 そして新幹線に乗り、今度こそ帰路につく。

 新幹線なら熱海から品川まで40分程度。凄く遠くに来た気がしてたけど案外近いんだな。

 

凄く楽しい一泊二日だった。ちょっと時間があればこんな旅行出来ちゃうんだな。これがいわゆる一人旅ってやつなのかな。

 

 

 一人旅って楽しいな。絶対にまたやろう。

 熱海も凄くよかった。絶対にまた来よう。

2017年2月 西伊豆一人旅

■2月12日 

 新宿の喫茶店でモーニングを食べる。向かいに座っていた人のセットにはウインナーがついていたが、僕のセットにはついていなかった 。悔しい。しかしダイエット中の身である、これでいいのだ。


 10時頃、喫茶店を出て品川へ向かい、新幹線に乗り込む。目的地は修善寺だ。
 新幹線の中で「レオナルドのユダ」服部まゆみ を読む。登場人物の名前がなかなか覚えられなくて悪戦苦闘していたが、読み始めたらその優雅な世界観に魅了されてしまった。
 

 三島駅で新幹線を降りる。駅のホームからは富士山がとても綺麗に見えた。


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ここで伊豆箱根鉄道に乗り換える。この路線ではICOCAが使えないという誤算が発生する。1万円チャージしてきたのに悲しきこと。
 そのまま電車に揺られ13時頃に修善寺に到着。13時5分のバスに一目散に向かい、飛び乗る。バスに揺られながら修善寺の豊かな緑を眺める。40分ほどで降りる。が。


・・・降りる所を間違えた!!
  
 萬城の滝まで徒歩5分のバス停で降りるはずが、全く違う場所で降りてしまった。Google Map(以後グーマ)を見るとどうやら徒歩1時間離れた場所のようだ。しかし、僕にとっての一人旅とは、遠い場所で行うお散歩なのだから別に構わないか。山あいの見晴らしのいい場所で景色が最高だ。快晴で、空気がとても気持ち良い。間違えて降りるのも悪くないな。 

 

 それからグーマを見つつ1時間歩き、土木作業の機械が立ち並んでいる所まで歩いたところで、グーマが目的地到着をお知らせした。

 ・・・いやいや!!・・・明らかに!!・・・いやいや!!

 確かに滝の落ちる轟音は聞こえる。だがここには木と土木作業の機械しかない。グーマをよく見てみると、ここからUの字の反対側に萬城の滝があるらしい。してやられた。以前にもナビを使って旅館に向かっていたのに民家に誘導されたことがある。グーマは時々悪戯をする。名前で検索するよりもきちんと住所を入力するほうが無難か。


 そこから30分歩き、今度こそ萬城の滝に到着。滝の迫力と、滝つぼの美しさに魅了される。何故滝はこんなにも心を潤すのだろうか。

 

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 さて。誤算が続いたせいで予定が大幅に遅れている。速やかに修善寺に戻らねば。徒歩5分で着くバス停に向かい時刻表を確認する。次のバスは2時間後。2時間後?2時間後か・・・。
 グーマで確認したところ、修善寺まで歩くと3時間弱かかるらしい。とりあえず行けるところまで歩いて、疲れたらバス停でバスを待つことにした。

 そうして17時過ぎに修善寺戻った。駅周りの観光もしたかったが、夕日を見るために一刻も早く西伊豆に向かわねばならなかった。伊豆箱根鉄道修善寺が終点である。よって西伊豆方面にはバスかタクシーを使うことになる。僕はバスで土肥温泉へと向かった。

 18時頃到着した。もうだいぶ暗くなっていたが海の上に広がる夕日を見ることが出来た。

 


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近くにはスーパーAokiがあったので入る。絵画推しのこのスーパーは伊豆半島を牛耳っているのかのようによく見かける。じゃがりこを買う。
晩飯はこじんまりとした味処で海鮮丼(1700円)を頂く。おかみさんから「デザートだよ」とみかんを貰う。普段ならこういう店には入らな
いし、1700円もするものは注文しないけど、この日は躊躇わなかった。普段と違う自分になれるのも旅の醍醐味。

 
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 この味処の目の前にあるのが、この日の宿「土肥ふじやホテル」である。
 朝から、セットにウインナーが含まれてない等誤算続きで疲れ切っていたので、チェックインしたらこの旅館の和室を堪能する前にすぐに温泉に浸かり、フルーツ牛乳を飲み、お布団にくるまり眠ってしまった。

 

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■2月13日


 午前3時ごろに目覚める。おはようございます。
 お茶を入れて飲みつつ、「レオナルドのユダ」を読み進める。レオナルド・ダ・ヴィンチに夢中になる。6時半になるともう一度温泉に入る。展望台から外の風景を眺める。真っ暗闇だった昨夜と違って綺麗な海と町並みが一望できた。

 8時にチェックアウト。9時までは周りを散策する。「世界一の花時計」というものがあった。9時。レンタサイクルで自転車を借りる。ルイガノという車種らしい。一人旅でレンタサイクルを利用するのは初めてだ。

 

 恋人岬を目指して自転車を漕ぐ。

 グーマによると徒歩で1時間半かかるらしいから自転車だと40分程と予想する。海沿いの道を自転車で走るのが気持ちよくてついつい顔がにやけてしまう。海はとても澄んでいて綺麗だ、その奥に富士山が大きく見える。

 


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 しかしサイクリングが気持ちよかったのは最初だけ。
 恋人岬に向かうまでの7kmの道のりがずっと登り坂だった。必死に漕ぐ、必死に漕ぐ、必死に漕ぐ。標高が高くなり景色は綺麗だがとてもしんどい。

 そうして予定より遅れ1時間程かけて恋人岬に到着。観光客も割といたが、恋人岬という名前だけあって男女二人組ばかりである。ここに単身でやってくる僕の度胸を褒めてほしい。
 3回鳴らすと恋人との愛を海に誓う、という鐘があった。多くのカップルがそれを鳴らして愛を海に誓っていた。
 なので僕も慣らすことにした。周りの憐れむ目など気にしない。たった一人の場合は自分への愛を誓うことになるのだろうか。 カランコロン、カランコロン、カランコロン。


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 疲れたので恋人岬の喫茶店で休むことにした。わさびソフトクリームとレモンスカッシュを注文する。
 また自転車で戻る。
 帰りはひたすら下り坂でとても楽だ。あっという間に土肥まで戻ることが出来た。
 土肥金山という施設の中の食堂で「イズシカ丼」を食べる。伊豆の鹿のお肉を使っていて高たんぱくでヘルシーらしい。
 土肥金山の周りにはまだ2月だというのに桜が咲いていた。

 

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 食後に自転車を返却した。

 疲れていたので帰る。良い景色を見られて満足だ。サイクリングも気持ちよかった。

 バスに乗り込み、修善寺に戻り、三島駅まで戻り、ホームで新幹線を待っていた。そこでスピードを緩めず三島駅を通過していく新幹線の迫力に死を感じた。たった数メートルの距離に僕の人生を一瞬で終わらせるものがある 。そしてその乗り物を利用している業のようなものを感じながら帰路に着いた。

2017年5月 奥太井一人旅まとめ


■5月14日(日)

 

午前8時に夜勤終了後、駅のコインロッカーに余分な荷物を預ける。

その後、ゆうちょでお金を引き出そうと思っていたが、電車の時間が迫っていたので後回しにして急ぐ。

 



車内で「湖底のまつり」泡坂妻夫 を読む。

とても面白く夢中になり時間があっという間に過ぎる。

三島駅に着いた辺りで読了した。

本当に良い小説だった、僕が今まで読んだ中でも過去3本の指に入る傑作。

そして次は「自分の仕事をつくる」西村佳哲 を読み始める。

 

 

12時半に静岡県草薙駅で降りる。

名前がカッコいいのと、トイレに行きたくなったのが理由だけど。そのまま駅周辺を散策することに。

 

まずは駅前のローソンで飲み物を買う。

このローソンがとても広く、イートインが15席もあった。

「子供の本専門店」という古本屋を発見したが、どう見ても多種多様な本を扱っている。

ブラブラしていると県立美術館の看板を見つけ、近いので行くことにした。

途中で見つけたお店で「冷たい焼き」なるものを買って食しながら向かう。

草薙駅から30分ほど歩いて到着。

緑豊かな敷地内には静岡県立美術館、静岡県立図書館、そして静岡県立大学が在った

空気がとても美味しいこの豊かな環境で学ぶことの出来る学生が羨ましい。

 
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美術館では「黄金のファラオと大ピラミッド展」が開催中だった

国立カイロ博物館所蔵の至宝がやってきているらしい

入ってみる。チケットは1400円。

予想以上に混雑していた。

発掘された土器や工芸品、美術品などが展示されていた。

ミイラも見てみたかったが残念ながらさすがになかった。

しかし、人がわんさかいる中でゆっくりと美術品を眺めるなど出来ず、それぞれをチラ見してちょっと気になったものだけしっかり見て、などで駆け抜けていたら8分で出てきてしまった。

 

美術館を出て草薙駅に戻ることにする。

途中で郵便局を見つけたので3万円を降ろす。

 

それから電車に揺られ静岡駅へ

靴が欲しくなったので駅構内のABCマートに向かう

移転のための処分セールを開催中だったが結局何も買わず後にする。

静岡駅周辺は結構な都会だった。

静岡県は豊かな自然と海があり、主要な場所は必要十分に栄え、東京、大阪どちらにアクセスしやすい、と本当に素晴らしい立地だと改めて思う。

 

それから金谷駅を経由し、太井川鉄道に乗り換え、宿へ向かう

太井川鉄道の列車にはとても風情がある。

車窓から覗く景色が素晴らしい、豊かな緑と大井川。

17時半頃、森のトンネルを抜けて宿のある川根温泉笹間渡駅に着く。

 

空気がひんやりしていたので上着を着る。茶葉の匂いに包まれて呼吸が気持ち良い。

徒歩5分で「川根温泉ホテル」に到着。

チェックインを済ませ、お部屋に入る。

洋間で、ベッドはクイーンサイズ(つまりどれくらい大きいのかな?)椅子が二つにテーブル、そしてソファがあった。ソファの座り心地がとてもよかった。

4階にあるその部屋のすぐ下には大井川が流れていて、その流れを楽しむことが出来た。

 

ディナーが19時からだったのでその前に温泉へ向かう。

シャワーを浴びて体を洗っている時に、斜め後ろにいた若者たちが年収、ご祝儀をいくら包むか、などの話をしていて旅行感が薄れてしまいしょんぼり。

お湯に浸かる。とても気持ちいい。露天風呂にも入るが、黒い壁のせいで外の景色が全く見えないのは残念だった。

コーヒー牛乳を買い、部屋で飲む。この瞬間がとても好きだ。

 

19時になりディナーへ。

バイキングだったので好きなものを好きなだけ取っていたらあからさまな偏食メニューが出来上がる。

それらに獣のように食らいつきあっと言う間に食べ終える、そして恐らく一番早くディナー会場を後にする。

 

それから疲れが一気に押し寄せてきて、そのままクイーンサイズのベッドで布団も被らずに寝てしまう。

2時間ほどして一度目が覚めた時にきちんと布団の中に入り眠る。

 

 

■5月15日(月)

 

午前3時ごろに目覚める。おはよう。

やはりホテルのベッドは気持ちいい。

備え付け煎茶を飲みながら読書、考え事などをする。

内風呂に入り、部屋の片付けをして、6時半ごろに宿を後にする。

朝の空気がとてもよかった。

 

それから太井川鉄道を更に下り千頭駅へと向かう

この太井川線の電車が今まで見たことのないものだった。

無人駅で券売機もないので、電車に乗ったら整理券を取る、そして車両前方の電子パネルで料金を確認するという完全にバスと同じシステム。

そして車内の人はほとんどが高校生だった。どうやら川根高校の生徒たちらしい。

僕にとっては完全な旅先であるこの地で育っている人たちがいるんだなと感じる。

 

7時半頃に千頭駅に到着。

目的地の奥太井湖上駅に向かう電車は9時過ぎなので、それまで駅の周りを散策した。

「音戯の里」という音で遊ぶコンセプトの施設くらいを見つけた。

その後、駅の側の河川敷で時間まで読書をした。

手ごろな大きさの石を見つけてそこに40分近く座るとお尻が痛くなった。

 

時間が近付いてきたので切符を買いに窓口まで行くと、今は工事中のために途中の奥泉駅までは振り替えバスが出ているとのことで、それに乗る。

奥泉駅には9時40分に到着。

 

そこから大井鉄道井川線に乗る。

これまた見たことのない列車だった。まるで遊園地を一周する列車のよう。

この路線が格別だった。

ゆっくりと走る列車の外には長島ダム、大井湖、つり橋など絶景に次ぐ絶景。

それらを同乗した駅員さんが一つ一つアナウンスで説明してくれる、まさに観光列車。


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そんな列車に揺られること30分。遂に奥太井湖上駅に到着。

大井湖にかかるレインボーブリッジの真ん中にポツンと存在する駅。

某日本の秘境駅ランキングの第一位にも選ばれたことのある駅。

何故こんな所に駅があるのだろうか・・・。

 


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駅には訪れた人が記念に色々と書いていくためのノートあったので僕も書いた。

本当は駅の周りをグルグルして隣駅まで歩いてみようか思っていたけど、とてもそんなことが出来る場所ではなかったので、眺めて、写真を撮って、40分後に戻りの電車に乗った。

 

12時ちょうどに千頭駅に戻る。

千頭駅側の「えびすや食堂」で焼魚定食を食べる、750円。

とにかく魚が美味しくて、ご飯が進む進む。

 

12時45分の電車に乗り、静岡駅まで戻り、新幹線に乗り帰路へ着いた。

月照らす砂浜 第1話

 月に照らされた日本海、静かな砂浜に響く波音。
 暗闇に浮かぶ船の灯りをボンヤリ眺めながら、僕とヒカリは歩いていた。ほかには誰も居ない。
「もうこんな時間なのに暑いねー!」
 ヒカリは無邪気にそんなことを言いながら、砂浜を駆け出す。走ると余計に暑くなるのに…。でも確かに今日は暑いな。もう午前1 時だというのにじっとしているだけで汗が吹き出す。熱帯夜だ。

 

「疲れちゃったー!ねえ、ここに座って休もうよ」
 言いながら、ヒカリは既に砂の上に腰掛けている。
「お団子遊びしよう!私はママで純也がパパね!」
「パパーお弁当出来たわよー今日もお仕事頑張ってね!チュッ」

 ヒカリが妙なことを始めた。まさか20歳にもなって泥団子でおままごとをするとは …。昼間の不機嫌などなかったかのように、楽しげに泥団子を丸めている。子供まで登場してきた。どうやら女子らしい。

「ちーちゃんは幼稚園に好きな男の子いる?えっ、パパ?パパはダメよ!パパは私のダーリンなんだからね!幼稚園で誰かカッコ良い男の子捕まえてきなさいねー」

「……ヒカリ、彼氏おるがん。そんなこと言っとったら幸彦が嫉妬するよ」
「えー?幸彦なんてどうでもよくない?だよね、ちーちゃん」
 娘に話しかけながら笑ってはいるが、昼間のことを思い出したのかまた少し機嫌が
悪くなってきたようだ。


 僕と幸彦は二人で音楽を作っていた。今までのインスト系だけでなく、そろそろ歌物も作りたいねと考えていた矢先、幸彦が彼女のヒカリを連れてきた。僕はグループ内に恋愛を持ち込むのは反対だった。しかし、ヒカリは歌が上手く性格も明るく、何より新しい音楽を作りたくてウズウズしていたので、懸念はあったがメンバーとして受け入れた。



 おままごとも終わり、また歩き出した。
 砂浜が下り坂になっている。僕はヒカリの手をとった。「ありがとう」ヒカリは下り、手を離した。もう少し手をとっていたかったなと思う。
 またヒカリが駆け出した。今度は波と戯れている。月に照らされたその姿がとても綺麗でつい見惚れてしまう。抑えなくちゃ、抑えなくちゃ…。